2011年3月4日未明に伊予鉄道700系のモハ711とモハ722が市内電車軌道敷上で搬出された。
トレーラーに載せられた廃車2両は中予の山奥にある産廃業者の最終処分場まで陸送された。
山間部に入ると3日夜に降った雪が残っていた。トンネル出口で陸送行列を待つ。
先に誘導車がやって来ると、誘導員により上り方向の一旦通行止め措置がとられる。
しばらくすると700系を積んだトレーラーが車道中央を走ってやってきた。
昨年末に伊予鉄3000系3007編成と3008編成が導入され、置き換えられた伊予鉄700系711編成と712編成。
廃車になった700系2編成6両は3月3日未明から5日未明までの3日間に渡り、2両ずつ搬出された。
初日はクハ762とモハ712、二日目はモハ711とモハ722、最終日はクハ761とモハ721が搬出された。
地方に譲渡された京王5000系にも世代交代の波が押し寄せてきた。
毎度お世話になっている赤カブライダー氏より深夜に電話が
「クハ762とモハ712が例の場所で搬出されてますよ」
そんな事を聞いてしまっては動かずにはいられない。通話を終えると同時に荷造りを始めていた。
松山入りは午後の飛行機ですることに。機材は772から76Pに変更されていた。
空港に到着してリムジンバスで行こうかなと思っていたら、赤カブライダー氏の姿が。
迎えに来ていただいたようで、感謝感謝。氏の車で市内散策を。
古町の車庫には機器が撤去された700系の姿が確認できた。
宿にチェックインし、空から日本を見てみようを見る。そして深夜レストラン北斗前へ。
モハ711がモーターカーに推進回送されてきた。どうやら本当に搬出が始まるらしい。
パンタグラフや冷房装置、方向幕等の部品が撤去されている。
連結器も撤去されていたが、モーターカーとはアダプタを介して連結していた。
モーターカーから切り離されると早速車体上げが始まり、モーターカーは次の車両のお迎えへ。
ラフター2基で架線高いっぱいまで吊り上げられ、台車が抜かれる。JR松山駅方へ人力で運ばれた。
ランゲンドルフ製の低床伸縮式セミトレーラが車体の下へ滑り込む。
ヘッドは日デの旧型ビッグサム。積込が終わるとレンタカー屋の前まで移動する。
次の車両がやってくるまでに、台車が産廃業者のトラックに載せられていた。
2両目がモーターカーに牽引されて来たのは、鉄コレシークレットにもなったモハ722だ。
トレーラーに載せられたモハ711と並ぶとモハ722の車高がやけに低く感じる。
以前より作業の手際が良くなっている。あっという間に吊り上げられてしまう。
722はサイドの玉掛け部に25Φとスプレーでペイントされている。
そういえば古町に留置されていた721にも同様のペイントがあった。玉掛用具の規格だろうか。
前半分は東急車輌製の低床トレーラーに備え付けられたターンテーブルに固定される。
後ろはポールトレーラーに固定された。伊予鉄の搬入出では鉄道車両輸送用台車は使われていない。
専用台車は特注品で持っている業者も限られていると聞いたことがある。
お互いトレーラーに積載された状態で並ぶ。
トレーラーヘッドのヘッドライトが排気ガスに反射し、さあ出発するぞという雰囲気に。
搬出順とは逆にモハ722から発車し、先行する。四隅には赤く光る誘導棒が取付けられていた。
夜が明けたら古町車庫へ行ってみる。朝ラッシュで車庫内の電車は出払ってほぼ空。
そこにはクハ761とモハ721がいた。この2両はこの夜(5日未明)に搬出された。
3日未明に搬出されたのはクハ762とモハ712という事になる。
今回の伊予鉄700系は解体処分となってしまいました。
銚子電鉄では平成25年度までに全編成を2両化する計画があるようです。
デハ1000形2両を更新せずに2両2編成で置き換えるというもの。
京王3000系28F,29Fを改造した伊予鉄3000系9F,10Fが導入されれば、
伊予鉄700系2編成が廃車になると思われるので、銚子電鉄が動くかどうか気になる所です。