2011年11月5日から8日にかけて川崎市営埠頭で、フィリピン国鉄(PNR)譲渡の203系マト53・54・55編成が、
パナマ船籍の貨物船GOLDEN 168に積み込まれ、8日夕方にフィリピンへ向け川崎港を出港した。
トラック用のシャーシやホイールが並ぶ市営埠頭で船積みを待つ203系。
203系は計9編成が東南アジアへ旅立った。内訳は5編成がインドネシアのKCJ、4編成がフィリピンのPNR。
インドネシア向けのマト51・52・66・68・69編成とフィリピン向けのマト67編成は新潟東港で積み込まれたが、
今回のフィリピン向けマト53・54・55編成は川崎での積み込みとなった。
メディア等からの注目も高まっている中古鉄道車両の海外輸出ですが、
市営埠頭までの回送は多数ファンが集ったのにも関わらず、船積みはコアな海外鉄の方々が見送っただけでした。
撮影は例によってちどり公園から。
車両は台車ごとトラッククレーン二基で相吊りされトレーラーに載せられます。
マト55は線路上に置かれたままでしたので、吊り上げられたときにフランジ保護の木材が取り付けられました。
貨物船の横で玉掛けされます。
初めて見るヤマガタさんとササラ電車を運んだショウエイさんが横持に来ていました。2社ともトーヨーの3軸でした。
後から分かったことなのですが、横持でよく見かける小川建機さんは銚子電鉄のデハ701・702陸送だったようでorz
吊り上げ開始。編成順は関係無いようでモハから積み込まれていました。
何やら東扇島側から伸びる青いジブが。本船備え付けのクレーンは使われず。
5日~7日作業分は150t吊りの起重機船によって積み込みが行われました。
貨物船備え付けのクレーンはSWL40tとジブに書いてあったので、
重量約35tのモハにワイヤーと吊り天秤の重量をあわせると安全重量を超えてしまうからもしれません。
そういえば千代田線のSUNRISE EXPRESSでは隣り合った2基のクレーンを1基として使っていましたが、
GOLDEN 168はクレーンの配置上そのような使用は出来ないみたいですね。
初めて見るBoeing787。偶然だったのでちょいとテンションが上がります。
デリバリー遅れの787の代替として投入された767に乗って203系がいる国に旅立ちたいところでありますが…
フォークリフトで車両を牽引しています。
ここの線路は併用軌道のようになっているのでフォークでの牽引が可能。
千鳥町再整備計画によると稼働率が低くなった貨物線の凸凹で荷役導線の乱れが出ているらしく、
3号埠頭から7号埠頭にかけて貨物線を撤去し道路にする計画があるようです。
ちどり公園から船積みや甲種輸送されてきた新車と中古車も見れなくなる日も来るのかもしれません。
8日船積み分の203系先頭車がトレーラー積み込まれ本日7日の作業は終了という雰囲気に。
起重機船はタグボートに牽かれて帰っていきましたので、我々もちどり公園をあとにします。
この日は疲れていたようで東扇島に連れていただいたあたりの記憶があいまいですな。
最終日8日は余裕の寝坊。最後に積み込まれた車両には運送会社の横断幕が掲げられました。
この船で30両も積み込めるのかと思ったら8両はハッチカバー上に積み込まれました。
重量20t台のクハ・サハ8両は船備え付けのクレーンでの荷役されました。
戸当たりのゴムやドアレール部に養生テープが貼られていたので塩被り対策でしょうか。
午後は川崎マリエンからGOLDEN168に積まれた203系を見る。最後まで残った203系は夕方に出港していきました。
フィリピンでに活躍に期待?です。