2021年11月14日にインドネシア通勤鉄道(KCI)カラーの伊豆急行8000系TB-7編成の貸切列車が伊豆高原~伊豆急下田間で運転され、伊豆高原車両基地内と伊豆急下田駅留置線では撮影会が行われました。
これは、伊豆急8000系貸切団体募集(伊豆急行線開業60周年企画)でインドネシア鉄道の愛好家(ジャカルタ鉄)の団体が貸切り、11月14日の貸切のためだけに8007号車の前面をKCIカラーで装飾しました。
なお、日本国内をKCIカラーの電車が走るのは初めてのことです。KCIカラーで貸切列車を走らせることについてはインドネシアのPT Kereta Commuter Indonesia社の許可を受けています。
片瀬白田駅停車中のKCIカラーの8007号車。スカートも赤くしました。
参考に2019年に撮影した8004号車。前面の車体番号は東急フォントとなっています。
東急8000系・8500系列の中で、8004号車のみ投石を受けても割れにくいポリカ製の窓に交換されたため、投石避けの金網が撤去されています。
2020年の検査で貫通扉のKCIロゴと側面の女性専用車装飾の撤去されました。
日本国内のみならずインドネシアの鉄道ファンの間でも話題となったこの貸切。現地鉄道ファンの間でも伊豆急の知名度が向上しました。彼らもいつか伊豆急を訪れてくれるといいですね。PKDヘルメットを被った参加者がおり、それがツボにハマっている現地ファンもいました。
Covid-19の感染拡大により気軽に海外に渡航できない日が続いているので、日本国内でKCIカラーの電車を走らせてみようということでプロジェクトがスタートしました。
2021年5月末に伊豆急ホームページに開通60周年を記念してTB-7編成のラッピングを剥がし期間限定で貸切団体を募集する旨のニュースリリース掲載されました。
伊豆急8000系貸切団体募集(伊豆急行線開業60周年企画)
※お客様の希望により、撮影会・ラッピング等を組み合わせ可能です
Covid-19感染拡大の影響で気軽に海外に行けない日々が続いていることから、KCIカラーラッピングの伊豆急8000系の貸切列車を走らせて、伊豆の国でインドネシア共和国に行った気分を味わおうということで、募集開始前に伊豆急へKCIラッピングが可能か確認してみました。現地鉄道会社より許可を得れば可能との回答でした。ラッピングについては、赤帯や歌舞伎などの東急を想定していたようです。許可については見切り発車ではありましたが、6月の募集開始と同時に申込を行い予約枠を確保しました。そのあと予約枠がいっぱいになったとのアナウンスがあったので募集開始と同時に申込をしてよかったと思います。
KCIとの許可取得については、パクアン急行氏に交渉を行っていただきました。交渉開始当初はインドネシアおよびKCI社内でもCovid-19の感染拡大の影響を受けて社内の業務が休止していたり、dirutがmeninggalされたりと大変な状況だったようです。社内のCovid-19の影響も落ち着き、伊豆急との協議が始まる前にIZINをいただくことができました。
KCIラッピングを行うにあたっては、伊豆高原の車両基地で担当者様と打合せと現車確認を行い、雰囲気を再現できるよう車両の寸法や帯の幅の確認などを行いました。ラッピングの施工範囲は先頭車2両の前面と側面帯も行いたかったのですが、車両運用の都合で施工できる時間が限られていること、早急な原状復帰が必要なことを踏まえて、施工範囲は8007号車の前面のみになりました。側面を再現するには、コルゲート部が凸凹なっているため作業に時間がかかるのと多くの費用がかかることから、今回は見送ることにしました。過去の公式イベントや他の団体の貸切でも側面が施工されていないのもこう言った理由があるからでしょう。
数日かけてKCI装飾の作業が行われ、貸切翌日に原状復帰されました。8007号車の前面はラッピング剥離時に徹底的に磨いたため、貸切前より綺麗な姿となり、8003号車のスカートは黒一色になりました。
伊豆急の担当者様はマニアックな要望を受けてくださったり、お客様に喜んでいただきたいという思いで仕事にあたっているのが伝わってきました。60周年企画にかける思いを感じました。
伊豆急行の方々、パクアン急行様など皆様のおかげで今回のプロジェクトができました。御礼申し上げます。
8007の並び。左の旧KAI風ロゴの車両はTB-3の8003に8007のプレートを付けて改番。
右の8007号車の行先表示部分にはフルカラーLEDを入れてYOGYAを表示。行先はジャボデタベックのほかジョグロとMRTJや東急東横線などを表示。
車掌台側の窓に実際に使われていたパクアンボードを掲出し、なつかしのパクアン急行が復活。
PT.Kereta Api Indonesia DIVISI JABOTABEKだった時代です。
パクアンボードをひっくり返して各駅停車のEKONOMI AC JAKARTA‐BOGORを表示。
検査のため分割されて留置された8604F。左が二代目8007号車。2014年に改番が行われ、8039号車と8007号車の番号が交換されてました。
そのため二代目8007号車は幌枠の上部が角ばっておらず、Rになっています。
8007号車と8008号車は編成の中間に組み込まれており先頭に出ることが無くなり、中間に組み込む際にジャンパ線でつなぐ必要があることから、スカートの穴が大きく改造されています。
2021年に前面黄帯が細くなって運用復帰しました。下の白帯が尾灯の真ん中を通る感じです。
初代8007号車。2014年に8039号車に改番されました。現在は廃車されチカウムにて眠る。
改番前の8039号車。遅延の影響か側面ドアから乗客が乗り出した状態で走っています。
8604Fは東急時代よりも長い12連で走る。8007号車は中間に組み込まれている。
8604Fの8007号車と8007号車の連結面。
2021年の運用復帰の際には塗装が簡略化されています。
8000系先頭車同士の連結は伊豆急でも見ることができます。
黒船と。開国してくださいよぉ。
伊豆急下田駅留置線での撮影会。
タンジュンプリオクと下田で港町シリーズの組み合わせ。
2019年11月のタンジュンプリオク駅。
KRD改造のKereta Istimewaを使用したパクアン急行氏結婚式臨。鉄道系Youtuberスーツ氏も乗車していました。
今回の電車貸切も特別でした。
皆様には本年もお世話になりました。
来年は自由に海外に行ける年になるのでしょうか。
それではよいお年を。