2025年4月下旬から5月中旬にかけて、INKAで製造されたインドネシアの国産電車 CLI-225系(EA207系,IE305系) 1001F(CLI-225.1001~1012)の試運転が、ボゴール線のデポック駅~ジャカルタコタ駅間で行われました。
4月29日に行われた日中試運転ですが、こちらに到着してデポック駅に向かったところ、前面ガラスに「UJI COBA/ON TRIAL」(試運転)と書かれたステッカーが貼ってあるCLI-225系が入線してくるタイミングでした。シャッター切りながら、225いいねしました。(親指を立てる)
5月2日の夜間試運転では、ジャカルタコタ駅でCLI-225系、東急8500系8618F JALITAと東京メトロ05系05-110Fとの顔合わせが見られました。
夜間の試運転は5月1日と2日に行われ、5月1日の方はスネン発の座席夜行に乗ってソロに向かってしまったため撮影できず。5月2日は、ジョグジャをジャランジャランしようと思っていたところ、大雨に見舞われてしまい、帰りの列車が夕方発だったものの、ソロでMCW302に乗るという目標は達成していたため、手数料と差額を払って次に出発する特急に乗車変更し、ジャカルタに向かうことにしました。8618Fでタンジュンプリオク線を一往復してコタ駅に戻ってきたら、この顔合わせが見れました。雨降って地固まるってやつですね。
試運転列車の車内を見てみると、夜食のKFCのアヤムゴレンが大量に積み込まれていました。205系性能試験の時も大量のホカ弁が積み込まれていましたし、何か食べながら試運転をするというのは変わっていないようでした。
タンジュンプリオク線では6107Fと8618Fの二本体制で運用されていましたが、4月30日夕方にカンプンバンダンで到着を待っていたところ、6107Fに故障が発生し一部列車が運休となってしまい、待ちぼうけをさせられてしまいました。翌5月1日は普通に走っていたと思ったら、5月2日には05-110Fと差し替えられていました。6107Fの故障には参りましたが、結果としてこの光景を見ることができたのだと思います。
一方、8618Fの方も5月8日にSIV故障を起こし、一部車両が非常灯のみ点灯、冷房停止という状態で運用されていましたが、修理のためタンジュンプリオク線運用を外れ、5月10日にボゴール線運用での目撃が上がっていました。その後は、定期運用に入ったという目撃情報が無いことから予備車となってしまったようです。
INKAのCLI-225系やCRRCのCLI-125系が運用開始すれば、調子が悪い車両の出番が少なることは自明で、205系以外の中古車両の活躍が見れなくなるのは寂しいですが、本線系統の混雑度を考えると12連貫通編成の方が輸送力があり比較的快適に移動できるんですよね。
前面デザインはE235系に寄せた赤いドットのグラデーション柄です。側面には赤と黒のダイナミックなラッピングが施されており、かっこいいです。
LED行先表示機は文字が横方向にスクロールして表示されます。行先表示機両脇横にあるLEDヘッドライトがダイナミック点灯方式なので、フリッカーが発生するかと心配をしていたのですが、点いていなかったので問題なし。前面のドットのグラデーション柄部分にあるライトはハロゲンランプ、そのすぐ内側に白色LEDのマーカーランプがあります。真ん中にある白色LEDの一文字のラインのみ点灯していましたが、こちらはダイナミック点灯ではなかったです。
順光の後追いを狙う現地ファンが多かったですね。マンガライ方で205系と離合。
このインドネシアはマディウン生まれの国産電車には、日本製機器が使用されています。床下機器はブルーグレー色で、205系5000代やMRTJでおなじみのToyo Denkiのエンブレムが輝いていました。VVVFのパワーユニットは反対側についていたため、今回は見れず。
乗務員室はE235系のように広めになっています。ドア左の戸袋に数字の8のような跡がありますが、女性専用車の板をつけていた両面テープの痕跡で、両先頭車ともすべての板が撤去されていました。なお、CRRC製の新車CLI-125 系はステッカーになっています。
ドアの戸当たりのゴムの間から、台車の排障器あたりまで、車輪の踏面に向けてホースが伸びていましたが、散水して空転滑走の試験でもを行っていたのでしょうか。
台車はINKA製で、型式はT台車がTB1622、M台車がTB1122。軸ダンパが付いていますが、ヨーダンパはありません。
CLI-225系(EA207系)から新設計の軸梁式ボルスタレス台車となり、足回りが垢抜けた印象です。インドネシア初の国産電車KRL-I(EA201系)とCL Basoetta 空港特急(EA203系)の軸箱支持方式はDT50のような積層ゴム式、KFW(EA202系)はTS-1004のようなペデスタル式ですから。
さて、CLI-225系の第二編成も出来上がり、ジャカルタ配給の時を待っているようです。INKA新車とCRRC新車によるKCI新時代の幕開けが楽しみです。